柱穴の配列をみると、蜆塚遺跡ではほとんど長方形に並んでいる。柱穴のもっとも多い例は、長辺に四つずつと短辺が三つずつ並ぶ一〇穴の場合でありもっとも少ないのは四隅に一つずつの四穴の場合である。その中でもっとも普遍的なものは、長辺に三つずつ並ぶ六穴の例と、長辺に四つずつ並ぶ八穴の例である。こうした長方形の配列から考えると、住居の平面形はおそらく長方形であったと想像されるわけである。
ところが、例数はごく少ないが、柱穴が半径約三メートルの円弧の上に、六角形に並んで発見された例が報告されている。その場合には、円形の住居跡が推定されることになろう。