第一貝塚

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 第一貝塚では、ほぼ南から北へ向かって堆積が進んだことがわかっている。これは住居跡群のある方から、谷へ向かって貝殻が捨てられていったことを示すわけである。この貝塚の層序はつぎのとおりである。①基盤の砂礫層→②貝層下の粘土質土層→③下部純貝層→④下部混土貝層→⑤中部純貝層→⑥中部混土貝層→⑦混貝土層→⑧上部純貝層→⑨有機質土層→⑩表土層(耕土)。同じ第一貝塚でも、現在これを横切っている県道の南では、①~④の層と⑨・⑩両層があって他の層序を欠いている。また県道の北側でも、槙垣根のある部分(東寄り)では④~⑥の層序が主体で、⑦層がわずかに認められたのに対して、現在合成樹脂で固化保存している部分(西寄り)では、⑤~⑧層が主体となっていて、③~④層を欠いていた。これによって、さきに第一貝塚の形成についての推論が出てくるわけである。