集落を構成する主な要素として、住居跡と貝塚と墓地について述べたが、このほかに第三貝塚からは溝状遺構が発見されている。これは第三貝塚の中央部から延びて、貝塚の西縁付近で折れ曲がり、第一貝塚の東端近くにおよんでいる(ここは谷頭にあたる)。その性格については不明の点が多いけれども、一応第九期における一種の排水施設であろうと思われている。また、第三貝塚の北部から、第一貝塚の東端を経て、第二貝塚の東縁にいたる部分には、点々として性格不明のピット(掘り込み)群がある。内部に円礫のつまっている集石遺構、獣骨が入っていて食物貯蔵穴と思われるもの、土器が埋置されていたもの、などがその内に含まれている。