遺構としての墓地については、前節で述べたが本節では観点を変えて、埋葬法について考えてみよう。【屈葬】まず、墓穴の中には人骨が手足を折りまげられて窮屈そうな姿勢で収められている。これを屈葬と呼んでいる。同じ屈葬でも寝かせ方に若干の違いがある。埋葬姿態の判明している一四例についてみると、仰臥屈葬五例、右下横臥屈葬三例、左下横臥屈葬四例となっている。【伸展葬】また手足を伸ばした姿勢のものが二例あった。これを伸展葬と呼ぶ。この二例というのは、二十歳台の若い男女であって一つの穴に合葬されていた特殊例である(第10図下)。