【遺構】以上二年間にわたり前後五回の調査が行なわれ、約二三〇平方メートルの広さを全掘したのであるが、調査の結果、弥生時代の住居跡は十分に確認し得たとはいえなかった。しかし土器がブロックをなして発見されたこと、部分的には小さい掘り込みが認められたこと、焼土や炭化物が検出されたことなどから、住居に関連した遺構の存在は推測されたのである。
【地層】地層の重なり方は、砂層が基盤となっており、この上に五〇ないし七〇センチメートルの青色粘土層が堆積している。この上には約一〇センチメートルの厚さに有機土層がのっていて、この中に弥生時代の遺物が含まれている。これをさらに二〇ないし三〇センチメートルの耕作土が被っている。地層は全体として西に向かってしだいに傾斜する傾向を認めることができたが、これは旧天竜川の運んだ砂地の末端部を示しているのかも知れない。