[出土遺物]

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 伊場遺跡の構造については、前述したようにあまり明確には把握されていないのであるが、そこで営まれた生活の内容について知る手がかりもまた、蜆塚遺跡ほどには十分でない。しかしながら、低湿地に立地し現に籾粒を出土しているという事実からは、やはり伊場遺跡では水田経営に、完全に依存した生活が考えられなければならない。
 
 【農具】弥生時代の遺跡からは、木製の農具が発見されることが多い。しかし伊場遺跡では、鋤頭・槌と記載されている例が発見されているにすぎない。他に用途不明の木器があって、一部は農具であった可能性もあるが、明確なのは前記の二例だけである。