では、古墳とはなにかということをひとくちで定義することは、実は大変むずかしいのである。古墳の特色として、第一に巨大な外形に比して遺体埋葬の施設はきわめて小さいこと、第二に当時としてはなかなか得がたかったと思われる財宝を惜しげもなく豊富に副葬品として埋納していること、第三に見晴らしのよい、したがって広い地域から望み得るような場所を選んで築かれていること、などの点が指摘されている。しかし、このような特色にあてはまらない古墳もまたたいへん多いことも事実である。とはいえ、年代的に溯る古墳ほどこの特色を強く出しているということは、古墳が内容よりも外見が重視されていたということを示すものであろう。