前期古墳の特色

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 前期の古墳とされているものには、前方後円墳が多い。このために古墳はその発生時において前方後円形という特殊な形に作られたといわれるのである。天皇陵と治定された古墳の中では、崇神陵と景行陵などが前期に入れられる。前期古墳は一般に小高い丘の上や丘陵の先端に築かれており、規模は比較的大きい。丘陵先端に築かれている場合には、背後の丘陵から切り取ったようになって濠になることが多い。墳丘には葺石が敷き並べられ埴輪のめぐる例もある。埋葬の主体部は竪穴式石室であることが多く、棺は割竹形であったらしい。副葬品中には、鏡・玉類・碧玉製腕輪類・武器武具・農工具類などが含まれていて中でも鏡のような「宝器的」な遺品が、大切に取り扱われたようである。