古式古墳の分布状態

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 以上の三基についで古いと考えられる古墳は、十数基知られているが、そのほとんどは平野部(天竜川流域・太田川流域・原野谷川流域・菊川流域など)にのぞむ丘陵末端部や台地縁に分布している。農耕社会であるから、その経済地盤が沖積地にあったことは当然であるとしても、大和朝廷による国家統一の波がこの地方にもおよんできたときに、いち早くその傘下に入り、朝廷の威をかりて首長の座を占めたのは天竜川平野部に勢力を得た内野赤門上古墳の被葬者と、太田川流域を基盤とした松林山・経塚両古墳の被葬者であった。