中期古墳の特色

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 中期古墳の特色は、前期古墳にみられたような内部施設よりも外観を誇示しようとする意欲を、一層強調した点にある。古墳の規模は最大に達し仁徳陵のように墳丘だけでも全長四八六メートルという大墳丘をなすものが作られた。天皇陵をはじめ主要な中期古墳は前方後円墳であるが、円墳や帆立貝式古墳なども増加している。立地は丘陵から平野に進出をはじめた。その結果、墳丘全体が盛土をもって築かれる例が多くなり、周濠も完備して水をたたえるものが目立ってきた。葺石や埴輪列のような表飾はもちろん、墳頂部には家・楯・靱・甲などを模した形象埴輪をたてることも、行なわれた。内部主体は、変化に富み天皇陵級では長持形石棺を石室で囲む例が多く、通常の古墳では粘土槨や石棺直葬などが行なわれていた。しかし地方では木棺直葬の例が多いようである。棺は割竹形のものが減って箱形のものが多くなったらしい。副葬品では、鏡や碧玉製腕飾類が相対的に減少して、石製模造品のような非実用品が急に増加した。しかしまた鉄製甲胄類や鉄製の武器類が大量に副葬されるという傾向も注目されるようになった。