律令政治体制は、天皇を至尊至高の地位に仰ぐ強力な中央集権的官僚政治の体制である。中央には神祇・太政二官があるが、行政面では太政官が全権を握り、太政大臣・左右大臣などの大臣や、その下の大納言、後には中納言・参議なども置かれて、これらの最高幹部が国政の中枢に参画する。太政官は左右の弁官を通じて八省・衛府(えふ)などの中央機関や、大宰府・諸国などの地方行政組織を掌握し、整然たる統一指揮を行なう。これら大小の諸官庁には、原則として長官(かみ)・次官(すけ)・判官(じょう)・主典(さかん)という四等官が幹部職員として置かれ、それらの定員・職掌・待遇などがきちんと定められている。