里と郷

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 郡の下の里は、一里五十戸で編成される定めであった。実際にこれがどのような形で実施されたかは、自然村落が五十戸単位で構成されているわけではないから、いろいろな問題もあるが、里には里長一人がその地域から選ばれ、村民の監督や徴税にあたった。里は霊亀元年(七一五)に郷と改称されたから、里長も郷長と改まったわけである。
 里に含まれる戸の構成や、その構成員の負担に関する具体的なことは第四節に述べることとして、ここでは庶民生活についての一般的な規定を概述しておこう。