目次
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古代編
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第四章 奈良時代の政治と社会
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第二節 地方政治と国司
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一般的規定
調庸
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調は諸国それぞれの産物を納めるもので、その品目はさまざまであるが、もっとも多いのは絹布や麻布であったようである。庸は力役ではなく、力役に代わるものという名目で麻布や米を納めるのであるが、調庸の量は、麻布でいえば、調布は正丁一人あたり幅二尺四寸、長さ二丈八尺で、庸布は幅は同じで長さ一丈四尺である。この布は四丈二尺で一端(たん)という単位になる規定であったから、正丁一人の調庸はすなわちあわせて布一端という計算が成り立つことになる。