漆部造道麻呂

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 『続日本紀』の文武天皇四年(七〇〇)八月二十二日条にみえる勤広壱漆部造(きんこういちぬりべのみやつこ)道麻呂は、文献に名をあらわした最初の遠江守である。彼はこの時、国司の成績を巡視して帰京した巡察使の報告に基づき、その善政の賞として二十戸の封戸を授けられた。国司が善政によって封戸を与えられることは、ほとんど他に例を見ない珍しいことである。なお、勤広壱とは、大宝令制施行以前の位階で、後の正六位上に相当する。

続日本紀 版本 文武天皇四年条遠江国司の記事