目次
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古代編
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第五章 平安時代の政治と社会
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第二節 軍事と交通
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諸駅の推定位置
猪鼻駅
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猪鼻駅は、豊橋市の下地にあたる三河の渡津(わとうず)駅に連絡すること、『更級(さらしな)日記』にも、天竜川を渡り、浜名橋から海辺を望み、井の鼻坂を登って三河国の高師浜(高師原か、豊橋市南郊)にいたるとあることなどから、浜名湖南端を経過する路線上の駅であることは疑いなく、その地は新居町浜名の東南と考えられる。古代にあっては浜名湖は浜名南端の辺で海に通じていたと思われ、猪鼻駅はその湖口西側にあったわけで、やがて橋本宿として栄えた地である。『倭名抄』の浜名郡駅家郷にあたろう。