遠江国の田数

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 その一例として、遠江の田数の問題がある。『倭名抄』には諸国の田数を載せているが、それによれば、遠江の総田数は約一万三千六百町である。ところがここにもう一つの史料として『本朝文粋(もんずい)』に、正暦(しょうりゃく)二年(九九一)から長徳元年(九九五)まで遠江守であった学者の源為憲(ためのり)が、在任中の功績を自賛してその賞として美濃守や加賀守の任を望んだ奏状が収められている。