目次
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古代編
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第五章 平安時代の政治と社会
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第三節 荘園・御厨と国衙
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寺領荘園と寺封
寺封
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なお寺領荘園のついでに、遠江国にあった寺封のことを述べておこう。
【東寺】平安時代の初めに空海に与えられた有名な京都の東寺は、真言密教の大本山として手厚い保護を受け、諸国に多くの封戸を給せられたが、遠江でも百五十戸の封戸を持っていた。封戸から出る租庸調はすべて封主、すなわち東寺に入るのであるが、しかし、これは東寺が直接に遠江の封戸を支配するのではなくて、国司がそれ相当の額のものを東寺に渡すたてまえであり、国司を経由する間接徴収である。