寺封

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 なお寺領荘園のついでに、遠江国にあった寺封のことを述べておこう。
 【東寺】平安時代の初めに空海に与えられた有名な京都の東寺は、真言密教の大本山として手厚い保護を受け、諸国に多くの封戸を給せられたが、遠江でも百五十戸の封戸を持っていた。封戸から出る租庸調はすべて封主、すなわち東寺に入るのであるが、しかし、これは東寺が直接に遠江の封戸を支配するのではなくて、国司がそれ相当の額のものを東寺に渡すたてまえであり、国司を経由する間接徴収である。