寺封の収入

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 ところで、『東寺文書甲号外一』に、長保二年(一〇〇〇)の『造寺年終帳』なる文書があり、その中に前年度分として収納した遠江国の封戸一五〇戸の収入をあげている。これをみると、調は絁、庸は糸、中男作物は油を納めるのが原則であるが、これをすべて銭に換算して収納していることがわかる。すなわち絁は一疋五〇〇文、糸は一絇一〇〇文、油は一升一〇〇文の割である。そして田租も、五十戸二人の割で出す仕丁の代も、すべて銭に換算して、合計六六貫四三八文の収入があったことになっている。