[式内社]

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 わが国の国民生活の中心には、古来一貫して神祇の信仰があった。それは原始信仰の要素をも含み、深遠難解な教義も持たず、複雑怪異な作法をともなうものでもなかったが、それだけに大らかに自由自在の変化を示す余裕があり、人心に素直にしみ入って、生活の中心としての実をあげたのである。人の集まる所、随処に大小無数の神が祭られ、人々はその加護を祈ったのであった。