この神名式は二月四日の祈年祭(としごいのまつり)に際して、神祇官または諸国司が公の立場で祭祀を行なう神社を、全国で二八六一社、祭神数にすれば三一三二座選び、その名を国郡別に列挙してあるもので、これは当時、とくに尊重すべき神社として認定登録されたわけであるから、この神名式に載っている神社はこれを式内(しきない)社といい、ずっと重視されてきたのである。しかし、長年の間には滅びた神社もあり、名が変わったり、位置が移動したりしてわからなくなったものも少なくない。つぎに現浜松市域内に存し、たしかに神名式所載の神社にあたると思われるものを列挙してみよう。