定額寺

328 ~ 328 / 706ページ
 定額寺というのは、国分寺が国立の寺であるに対し、私立の寺、すなわち私寺の中から選んで官寺の待遇を与えたものであって、経済的にも、別当(べっとう)以下の僧職の選任についても、国分寺に似た扱いを受ける、いわば准国分寺のような寺である。この定額寺は諸国にあっては大体一国一寺が標準であったようで、遠江ではこの頭陀寺のほかには所見なく、駿河ではこの頭陀寺とほぼ同じころ、富士郡法照寺が定額寺と定められた。