国家の法会

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 定額寺はこのような官寺であったから、国分寺同様に国家の保護を受けると同時に、官命を受けて国家のために祈祷し、法会(ほうえ)を行なった。頭陀寺が定額寺に列せられた以後の二、三の例としては、貞観(じょうがん)十七年(八七五)・寛平(かんぴょう)五年(八九三)・康保三年(九六六)・万寿三年(一〇二六)などに、国分寺および定額寺に対し、般若経転読などの修善が命ぜられている。頭陀寺においても、この命を受けて転読が行なわれたことであろう。