[東歌]

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 巻十四の東歌に移ろう。『万葉集』の巻十四は、きわめて特色ある巻である。それはこの巻が巻頭に東歌と題して、もっぱら東国の歌を集めており、多少は都会人的な要素や感覚も含んでいるけれども、なんといっても生々しい生活感覚に満ち、東国方言を豊富に用いて、言語学上もきわめて興味ある巻だからである。