目次
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古代編
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第六章 奈良・平安時代の文化
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第二節 万葉集
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東歌
譬喩歌
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【引佐細江】つぎに同じく東歌の譬喩(ひゆ)歌という部類の中には、つぎの有名な一首がある。
「遠江引佐細江(いなさほそえ)の澪標(みをつくし)あれを頼めてあさましものを」(三四二九番)
この歌の「あさましものを」の句の解釈は一定していないが、要するに、水路を示す澪標のように頼みにしていたのに、あてがはずれたという心である。この歌中の引佐細江が、そのまま浜名湖東北隅に名を伝えていることはいうまでもなかろう。
みおつくしの標(引佐郡細江町)