エオの混同

342 ~ 342 / 706ページ
 今日の東北地方などで、「シ」と「ス」が混同して使われていること、たとえば「した」を「すた」といい、一方では「あります」を「ありまし」というようないい方をすることは、かなり広く知られているが、古代の遠江でも、これに似たような「エ」音と「オ」音の混同がみられるようである。たとえば、影(カゲ)を「カゴ」、捧げて(ササゲテ)を「ササゴテ」といっているかと思えば、遠江(トホタフミ)を「トヘタホミ」と記している。