[勅撰集と私家集]

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 『万葉集』に象徴された和歌の伝統は、平安朝の初期にも、漢詩文の隆盛にやや圧せられながらも確実に存続した。そして平安の中期、国文学隆昌の時運に乗って文芸の中核たる地位を占め、古今集以下、勅撰和歌集の撰修事業は、室町時代の中ごろまで、二十一回にわたって絶えることなくつづけられたのである。