日本歴史で中世という時代は、鎌倉幕府ができるすこしまえ、およそ保元(ほうげん)の乱(一一五六)から織田信長が上京して、中央政権をうちたてる(一五六八)までの四世紀ほどをさしている。
この時代から江戸幕府の崩壊する慶応三年(一八六七)までの三世紀、あわせておよそ七世紀を封建時代(封建社会)とよんでいる。そして、はじめの約四世紀を前期封建時代、のちの三世紀を後期封建時代(純粋封建制)とする。前期封建時代は、社会上・経済上、政治体制のうえで後期のとは、大きなちがいがあるので、この時代は中世とし、後期を近世とか幕藩体制、純粋封建制などといい、区別している。
中世は時期もながく、そのあいだに社会経済上の発展と、いくつかの政治上の変動があるので、鎌倉・南北朝・室町・戦国の時代にわけるのがふつうである。