十二世紀の中ごろすぎの東国地方には、いくつかの武士の集団があった。遠江(静岡県)でもそのころになると、横地太郎長重(よこちながしげ)・勝間田平三成長(かつまたへいぞうしげなが)・井伊八郎・浅羽庄司(あさばのしょうじ)浅羽宗信(むねのぶ)・浅羽三郎・浅羽小三郎行光(ゆきみつ)・相良三郎長頼(ながより)・内田三郎家吉(いえよし)・内田四郎・内田六郎・新野太郎(小笠郡浜岡町新野の住人)・同三郎高政(たかまさ)・源清成・源清倫(きよとも)・原氏などの武士の集団があった(以上『静岡県史』『磐田市誌』)。井伊八郎は、遠江国衙(こくが)の在庁官人であったと思われる。