守護の職務

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 【大犯三箇条】守護の職務は、幕府の御家人だけでなく、国衙の役人(在庁官人)も指揮し、「大犯(たいはん)三箇条」といい、「大番催促(おおばんさいそく)・謀叛(むほん)・殺害人(さつがいにん)」の取りしまりをする。平氏の全盛時代に、東国の武士たちは、交代で三年のあいだ京都にいき、天皇の御所を警備する義務をおわされていた。これが大番役(おおばんやく)である。頼朝は六か月に短縮して、大番役を御家人の義務の第一とし、平時の勤務のもっとも重要なものとした。守護の職務の第一にある大番催促は、この大番役をつとめる御家人・在庁官人を催促し、指揮・引率して大番役をつとめることである。また幕府に対する謀反人と人殺しの取りしまりも守護の任務である。
 
 【軍司令官】そのほか守護は、幕府から御家人への法令や命令を伝え、御家人から幕府への願いでをとどけ、国内の大社寺の造営や修理、道路・宿駅の整備にもあたった。そして戦いがはじまると、守護は、すぐに国内の御家人すべてを従える軍司令官になる。