「鎌倉殿」は御家人(ごけにん)(御家人にならない武士は非御家人(ひごけにん))に、もとからもっている所領を保証して、主従関係をむすぶ。御家人(御家人も名主である)は、名主(地主)に耕作権を保証して主従関係をつくり、名主は家子たちに対し、同じ立場にあった。武家社会は鎌倉殿を頂点として、こんなピラミッド型の主従関係ができている。貴族や社寺のばあいでもその荘園の管理人との関係は、武家社会に近似していた。だから鎌倉殿と御家人とのあいだの支配関係は、封建制の全部ではない。
鎌倉殿を頂点とした武家社会