【本家 領家 預所】荘園は、農村の有力な土豪が安全をもとめて、有力な貴族や社寺に寄付し、そこに所有権を移して、できたばあいが多い。寄付をうけた側が、本家(ほんけ)とか領家(りょうけ)という荘園領主(りょうしゅ)であり、預所(あずかつしょ あずかりどころ)という代理人に管理させる。このような預所がその荘園に土着して管理にあたることは、まれであった。そして土豪はそこの荘園管理の最高責任者の預所とか、下級の下司(げし)などに任命された。土着した最高の管理人は在地領主(ざいちりょうしゅ)とよばれ、荘園領主と区別している。
畿内(きない)(山城・大和・摂津・和泉・河内)地方の荘園は、一般に規模の小さいものが多く、数十町歩のものが大多数であった。東国や九州などの荘園は、山野をふくむ数百町歩ほどの大規模なものが多く、領主の代官(在地領主)となった土着の豪族などの手で強力に支配された。