【入会地】山林は農民の共有にまかされ、その地が荘園化しても、そのほかの空閑地(くうかんち)とともに入会地(いりあいち)になっていた。しかし在地領主の権力が強くなってくると、山林を囲(かこ)いこみ、利用者から山手(やまて)・山手前(やまてまえ)・立野銭(たつのせん)などの入会(いりあい)税を徴収するようになった。
【杣】ことに良材を産出する山林は、早くから貴族や社寺によって杣(そま)と定められ、自由な伐採は禁止されていた。これらの杣に住む杣工は、はじめは貴族たちと人身関係をもっていたが、平安(七九四-一一八〇)すえになると、給田(きゅうでん)を与えられ、一定の木材を上納することになった。そして余剰の材木は、商人の手で市場に放出される。