町ということばは、道を縦横にわけ、棟をならべ、建物のある場所をいい、商家とは限らなかった。
【市町】平安京(京都市)の古代の市(いち)のばあい、市人は市のうしろの市町(いちまち)に住むのが原則である。この市町も市人町、つまり市人の家がたちならぶという意味である。そしてほかから行商する者を商人(あきうど)といって区別したらしい。平安(七九四-一一八〇)の末になると、市場の区域が拡大され、町とよばれてくる。【町人 商人】鎌倉(鎌倉市)では、大町・小町など一定の商業区域に住むものを町人、そのほかを商人とよんだようである。