工芸

447 ~ 447 / 706ページ
 鎌倉時代の工芸は、武士の質実剛健な気風(きふう)を反映して、器物の形には量感と力強さがあふれ、装飾でも蒔絵・鏡などにみられるように、いままでの絵画的な模様は写実的になり、描線は強くなった。技術面では、蒔絵でも彫金でも進歩している。種類では仏具や高級調度品にすぐれたものがつくられたほか、武士の象徴としての立派な甲胄・武器などがあり、鎌倉時代工芸の大きな特色となっている。この時代に完成した武家工芸も意匠が類型化し、技術も技巧化してゆきづまってくる。