目次
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中世編
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第三章 南北朝時代
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第一節 鎌倉幕府の滅亡
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惣領制のくずれ
所領細分化 惣領の単独相続
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また一方では、庶子にも所領をもらい、相続する権利(分割相続)があるため、惣領の所領はしだいに細分してゆく。幕府は、鎌倉中期ころからこの傾向をおさえることに手をつけた。嘉元(かげん)元年(一三〇三)十一月、茂木(もてぎ)心仏は、嫡子知氏にまとめて所領を譲っている(『茂木文書』)。のち南北朝になると、惣領は有能な人物を嫡子(ちゃくし)(長子)に定めて、これにすべての所領を譲るようになった。そして惣領は庶子を扶養する。長子(惣領)の単独相続制である。