地頭の富力

451 ~ 452 / 706ページ
 御家人が、すべて貧乏になったのではない。こまった御家人たちの土地を買い集めた地頭や、御家人もあった。まず裕福になったのは地頭である。地頭は荘園領主の年貢を横領したり、農民に乱暴し、収入の一部を奪ったりする。荘園領主の訴えに対し、幕府は地頭を不法だと裁定した。地頭たちは幕府や荘園領主の圧力をかわしながら、荘園の土地と農民をすべて自分のものにし、より実力をつけようとつとめる。