目次
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中世編
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第三章 南北朝時代
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第一節 鎌倉幕府の滅亡
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地頭と守護の強大
下地中分
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たまりかねた荘園領主は、ついに最後の切札のつもりで、下地中分(したじちゅうぶん)を申しでる。荘園の土地を二等分して、たがいに一方の領主になり、他領を侵害しない約束である。じっさい問題として、土地の面積だけを二等分しても、収穫量がちがうため簡単にはいかない。ともかくも下地中分の約束が成立すると、地頭の分については、地頭の所領になる。しかし地頭は、荘園の全部を自分の領地にしようと「不法」を働く。このばあい地頭は、その地域の有力者である守護にたよるのである。