目次
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中世編
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第三章 南北朝時代
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第一節 鎌倉幕府の滅亡
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幕府の無力
くずれる主従関係
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幕府の権威が弱ったとの噂は、畿内(きない)(大和・山城・摂津・河内・和泉の五か国)とか地方の土豪や、武士たちを勇気づけたにちがいない。地頭や御家人が悪党に味方するだけでなく、彼らも悪党になる。将軍と御家人との主従関係がくずれはじめたのである。このため幕府は、御家人の所領を保障する政策をうちだし、かつて御家人であったものは、領地をもたなくとも御家人の身分を認めると命令した。へってゆく御家人の人数を確保しようとしたのである。