【遠江守護北条貞直】元弘(げんこう)元年(一三三一)九月、遠江守護をかねる北条陸奥守貞直(『光明寺残篇』『鎌倉年代記』『保暦間記』)と、足利高氏らを大将とする幕府の軍は、笠置を攻めておとしいれた。天皇は捕えられて六波羅に送られる。つづいて貞直は京都地方で戦った。貞直の軍には遠江の御家人も参加している。
北条氏は皇太子量仁親王の即位式をすませた。光厳(こうごん)天皇である。後醍醐天皇は、六波羅におしこめられているうち、北条氏の圧力で、偽の神器か神器の一部を、光厳天皇にわたされた。
三河国の足利氏支族