目次
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中世編
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第三章 南北朝時代
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第二節 建武の新政
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公家一統の政
新政の前途
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しかし新政府が新しい政治をするにあたって、中央の政治機構も、地方政治の機構も、すでにほとんどくずれさり、財政の基礎もなかった。ところが天皇は、前に述べたように持明院統がたの領地はもとのまま保証し、北条氏の所領(得宗領)を、天皇と妃と護良親王とでほとんど独占してしまった。天皇は持明院統をふくめた皇室・貴族・社寺の勢力をまとめて、武士の勢力に対抗しようとしたのであろう。