御家人制の廃止

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 政府は御家人の制度を廃止した。天皇の政治目標からすれば、「幕府を廃止した以上、鎌倉将軍の直属家臣の特権と身分の標識はやめるべきである。武士の身分に御家人・非御家人の区別があってはならない。すべては天皇が直接支配すべき」である。その時期は国司制度の改革と同じ元弘三年の夏か、秋のころであろう。そして御家人だけの負担であった京都大番役は、いままで非御家人とよばれていた荘官・名主らにも課せられることになった。
 御家人たちは、非御家人と同列に「格下げ」され、貴族出身の国司やその代官(目代)に駆使されることになった。