【一の宮 小国神社】諸国の一の宮(遠江の一の宮は小国神社)とか二の宮は、新任の国司が着任すると、まず参拝する大社である。平安すえになると、これら神社、したがってその荘園も神主から皇室などに寄進されて、ここを本家(ほんけ)・領家(りょうけ)として年貢の一部を納め安全をはかった。尾張の熱田神宮(名古屋市)をはじめ、大きな神社は、皇室領になっている。
天皇は、一の宮・二の宮などについて本家・領家という関係をたちきり、国家の守護神として完全な領地を与えようとした。これらの神社は、この政策で独立し、本家職(ほんけしき)とか領家職として、納めていた年貢が不要になった。それだけ天皇家の収入は減ったのである。天皇のこの政策は、理想に生きたというべきであろう。