目次
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中世編
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第三章 南北朝時代
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第二節 建武の新政
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公武の争い
官僚制の確立をはかる
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十二月に天皇は、中央官庁にあたる八省の卿(きょう)(長官)を総入換えし、高い家格の貴族が高官につくという伝統を無視した。宋朝の中央集権制を理想とする天皇は、護良親王と尊氏との勢力の均衡が失われたため、独裁体制を強化する基礎としての官僚制を確立しようとした。それは旧貴族層を解体させ、天皇の手足となるべき官僚制をつくりだすのを最大の目的とした。しかも京都を直接支配し、商工業者の財力にも依存しようとする政策をうちだした。天皇の新しい人事には、貴族層の反感が強い。