室町幕府の成立

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 建武式目を制定してから二十日ののち尊氏は、高師直を執事に、また太田時連を問注(もんちゅう)所の長官とし、幕府の政治機構をつくった。このときに室町幕府は成立したとみてよい。しかし尊氏が征夷大将軍として、正式に幕府を開くことができたのは、翌々年の暦応(りゃくおう)元年(一三三八)八月である(幕府の機構については第四章でのべる)。このあいだに新田義貞が戦死したので、天下はまったく尊氏のものとなった。