目次
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中世編
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第三章 南北朝時代
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第三節 南朝と北朝
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戦いのあけくれ
室町御所
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しかし南朝の深刻な苦悩と反対に、幕府はいよいよ安定度をましてきた。永和(えいわ)四年(一三七八)すでに二十一歳になった義満は、新しくつくられた京都室町の新邸にうつり、ここを幕府とした。新しい幕府は、烏丸と室町のあいだにあった。
義満は、至徳(しとく)二年(一三八五)から明徳元年(一三九〇)まで、奈良・紀伊(和歌山県)・駿河(静岡県)・西国(さいごく)・四国・北国の各地を巡遊して、守護大名の動静をさぐり、将軍の威厳を示した。
室町幕府 洛中洛外図屏風 部分(東京 町田満次郎氏蔵)