動乱の地域的分布

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 南北朝の動乱を地域的にみると、ほとんど全国的にわたるが、鎌倉を中心とした東国地方、引馬を中心とした遠江地方、京都を中心とした近畿地方、博多(福岡市)を中心とした九州地方が重点地区として注目される。鎌倉は、もとの鎌倉幕府の所在地であり、陸奥(むつ)の多賀城(宮城県宮城郡多賀城町)には、古く鎮守府将軍が置かれていた。しかし奥州・北関東では北畠親房がひき揚げてから南軍は振わず、南関東では、正平七年(一三五二)でその組織的な抗戦は終わっている。