尊氏の政策が変わっても、もはや武士たちの欲望をおさえることはできない。尊氏は建武五年(一三三八)にも四年と同じ内容の禁止令を公布した。これからのちしばしば禁止命令をだし、観応(かんのう)二年(一三五一)六月、「この禁止令に違犯(いはん)する者の所領の半分を没収し、押領してからのちの年貢は返還せよ」と命じた。
しかし貞和(じょうわ)五年(一三四九)から延文(えんぶん)元年(一三五六)にかけて、南北朝の動乱は第三期になる。尊氏にとって軍事力を強化することが、いまこそ必要である。
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