今川氏の一族

506 ~ 507 / 706ページ
 今川氏は、足利氏の支族で、足利義氏の子長氏の次男国氏からはじまる。長氏は、三河(愛知県)幡豆(はず)郡今川荘(いまがわのしょう)を父義氏から装束料(しょうぞくりょう)にもらい、国氏に伝えた。国氏のあとをついだ基氏の弟は、のちの関口・入野・木田などの諸氏の祖である。
 
 【関口氏】関口氏は、三河宝飫(ほい)郡(宝飯郡)関口村を本拠としたのであろう。
 
 【入野氏】入野氏は、当市入野からおこった。基氏の弟俊氏が祖である。
 
 【木田氏】木田氏は、政氏にはじまり、三河幡豆郡木田村を本拠とした。
 
 以上の三氏は、今川氏の「御一家」となる。基氏には、多くの妹があって、その子供たちが今川氏一族の石川・名兒耶(奈古屋)氏である。
 国氏・基氏時代の今川氏については、よくわからないが、宗家足利氏とともに鎌倉幕府に仕えた御家人であろう。そして基氏の子範国の時には、足利氏に従って建武新政にも参加し、さらに南北朝時代には、細川・斯波(しば)・渋川・畠山・桃井・仁木などの足利氏一族と同じように、足利氏の全国支配の一環として、駿河・遠江に入国したものと考えられる。

今川氏略図