目次
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中世編
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第三章 南北朝時代
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第四節 社会と経済
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産業
農村の発達
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農村では、戦乱のため百姓でもほとんど徴発され、民家は焼かれ、作物は刈りとられた。しかしこれらの悪条件をのりこえて、隷属した小百姓が自立していき、自治組織がすすむなど、目ざましい発展があった。戦乱のため、年貢を銭で納めることが多くなり、市場がひんぱんに建設される。小農民は手持ちの物資を売りだす機会にめぐまれた。小農民にとって、戦いにまきこまれない限り、労働条件はよくなっている。しかし耕地の一アールあたりの収量がどれほどあったかはよくわからない。