禅宗

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 鎌倉末から南北朝にかけては、禅宗と念仏系統の諸宗がさかんであった。禅宗は来世(らいせ)(未来)で救われることをとかず、この世で悟りをひらくことに目標をおいている。現世(げんせ)を対象にする禅が、この世で政治をとる武士の信仰をうけるのは当然だ。そして幕府は禅僧を政治の顧問にして、京都と鎌倉に五山(ごさん)・十刹(じっさつ)の寺をさだめた。また宗教的・政治的目的で足利尊氏・直義兄弟は、全国に安国寺と利生塔を建てた。